
事業承継税制ってどう思う?
友人から勧められたんだけど…。



良い制度ですが、随分先の長い話になりますので
そこは押さえておくべきかなと思います!
事業承継税制の概要
事業承継税制とは?
事業承継税制とは、中小企業者の円滑な事業承継を支援するため、法人の場合、非上場会社の株式に係る相続税、贈与税の納税が猶予及び免除される制度のことです。
以前から制度自体はありましたが、うまく利用できない方が多かったため、平成30年度税制改正で使いやすくなった制度です。
中小企業の承継において、自社株の価値が高くなりすぎて、株式を後継者に譲渡できないことがあります。
生きている間に譲渡すれば贈与税、先代がなくなってから相続すれば相続税がかかります。
あまりに高い贈与税、相続税であれば株式を渡すために多額の現金が必要になるため、その問題を解決するために生まれたのが事業承継税制です。
事業承継税制の流れ


事業承継税制の流れを説明いたします。
まず2026年3月31日までに特例承継計画書を提出します。その後、自社株を後継者へと贈与します。
仮に自社株の価値が1億円あるとすれば贈与税は本来、4799万円程度の贈与税がかかってしまいますが、事業承継税制を使えば、その贈与税は一旦猶予されます。
その後、先代の社長が亡くなった際に贈与税が免除されます。
なんと1億円の株式の贈与税が0円になるのです!
そして、死亡時には相続税が本来かかりますが、これも猶予されます。
その後、後継者が次の後継者に株を贈与した際に相続税が免除されるという制度です。
事業承継税制のメリット



事業承継税制におけるメリットは以下の2点です!
1 自社株の贈与税・相続税を抑えることができる可能性がある
2 親族間の自社株の移転に関するストレスを考えなくて済む
メリット① 自社株の贈与税・相続税を抑えることができる可能性がある
業績が右肩あがりの会社にとって、自社株の移転は困難になりがちです。
そのリスクを抑えることができる事業承継税制は大きなメリットと言えるでしょう。
メリット② 親族間の自社株の移転に関するストレスを考えなくて済む
また後継者からすれば、事業を承継したときは考えることが山積みです。従業員のこと、給与のこと、生活のこと、新規事業のことなど考えることが多い中で、贈与税や相続税のことを考えるのは精神的にも経済的にも大きな負担です。
少しでもその不安を和らげることができるなら事業承継税制を活用したいところです。
事業承継税制のデメリット



逆にデメリットはどんなものがあるの??



意外と押さえられていないデメリットについて、3つご説明します!
① 贈与税・相続税の免除までが長期間になってしまう
② 納税猶予期間に規定の取り消し事由が発生した場合、より多くの税金を払うことになる
③ 株式を贈与しても、遺留分に関しては移転後の価値で計算されることになってしまう
デメリット① 贈与税・相続税の免除までが長期間になってしまう
上記の事業承継の流れでもお伝えしましたが、実際に贈与税が免除されるのは、贈与時ではなく、先代社長が死亡した時になります。
つまり仮に先代社長が65歳の時に株式を贈与して90歳で亡くなられた場合、贈与税の免除まで25年もかかってしまいます。
また相続税の免除に関しては、さらに次の後継者に株式を贈与したときですのでかなり先の話です。
免除まで長期間になってしまうことは覚悟が必要です。
デメリット② 取り消し事由が発生した場合、より多くの税金を払うことになる
免除までの期間が非常に長くなってしまうことに加えて、途中で会社を継がなくなってしまったり、後継者が会社を辞めてしまった場合は取り消し事由に該当してしまい、猶予されていた税金を支払わなくてはいけなくなります。
加えて、猶予していた分に利子がつくため、さらに税金の額が多くなってしまうのです。
そのほかの取り消し事由に関しては、同族の議決権が半数以下になった、総収入がゼロになってしまったなど20ほどの取り消し事由がありますので合わせて注意が必要です。
デメリット③ 遺留分に関しては移転後の価値で計算されることになってしまう
このデメリットは多くの人が意識していません。
税金の計算は贈与時で計算しますが、民法上の遺留分の計算は相続時の株価で計算されます。
よって贈与税が免除になったとしても、他の親族から遺留分を請求された場合、株価が値上がりしていれば高い遺留分を親族から請求されてしまう可能性があるということです。
まとめ
ご自身が事業承継税制を使うべきかどうか、本当に使うのが良いのかどうかはきちんと見極めることが大切です。
事業承継税制自体は、素晴らしい制度ではありますが、現場の感覚で言うと明確にメリットとデメリットまで理解している人は少ないように思えます。
遠い将来のことも、親子で話し合いながら事業承継は行っていきたいですね。
そのほか気になる点などがあればぜひ皆様からのコメントをお待ちしております。


