
自分の持っている株はどうやって家族に分けようかな。。



社長として継ぐのは僕1人だけど、株は兄弟で分割しておけば
いいんじゃない?公平だし。



そうだな。とりあえずは、均等に、、、



ちょっと待ってください!



実は少数の株主が増えていくことは結構リスクがあることなんです。
説明しますね!
株を分ける前に考えるべきこと
今回は後継者やご家族にどのように会社の自社株を移すべきかという問題についてお話します。
まず社長のご家族の家系図から考えていきましょう。


社長のご家族は奥さんとお子さん3人のご家族です。会社の経営に関わっているのは社長と長男さんだけであり、次男さんと三男さんは会社の経営には関わっていません。
現在株式は社長が全て保有しており、他の家族は誰も株を持っていない状態です。
公平に株を分けると、どのような問題があるのでしょうか。
株式を公平にお子さんに分けた場合のケースが下の家系図です。


長男が1%だけ多いですが、息子たちに分割して3分割することができました。仲良く分割できたから良かったように思ますね。確かにこの状態では問題はなさそうです。
ただ、考えなくてはいけないのはこの後のことなのです。
ここから年数が経って三兄弟の皆様に配偶者やお子さんができた時、問題が起きる可能性があります。


もし、次男さんや三男さんが万が一お亡くなりになってしまうと、自社株はお子さんや配偶者に相続されます。生前時に株式を贈与することも可能です。
どちらにせよ、長期的に見れば、経営に関係のない方に株式がどんどん分けられていくことになります。
株式がたくさん分けられているとどうなるか。
株式を持っている人は、基本的に今持っている株を売却してもらう権利を持っています。
つまり法人に対して、株式を売却していつでも現金を受け取ることができる権利を持っているということなのです!
「急にお金が必要になったから株を売って欲しい」とか「子どもの教育費がかかる時期だから現金が欲しい」と言われるケースはとても多いです。



急に現金を要求されても、その時に
会社にお金がなかったら払えないよ!



そうですよね。
なので、株式の分割には気を使わないといけないんです。
株式を渡すのは後継者にしておくのが無難!
以上のことより、株式を安易に分けることはおすすめしません。下記の家系図のような形が良いでしょう。


もちろん例外もありますし、ケースバイケースではありますが、基本的には後継者に株式を集中させるのが良いと思われます。
後継者が他の株主に気を遣いながらでは経営がやりづらくなってくることもありますので、他から口を出されない方がやりやすいです。
ただ、株式がもらえないご家族は不公平じゃないか?という声が上がってきそうです。
例えば社長が社長が死亡した際、長男が全ての株式を相続したとします。この場合、他の遺族は一切株式を貰えないわけです。これは不公平。
ここで遺産分割に関して、民法906条を見てみましょう.
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
そもそもですが、遺産分割は全員が納得すれば、どんな分け方でも構いません。不公平な分け方であろうと、全員が納得していれば成り立ちます。
ですが不公平に納得がいかない場合は、株式と相応の現金を渡すことで、釣り合いをとることが可能です。
これを株式の代わりに現金を渡す『代償分割』と言います。
仮に次男と三男が7000万円分の株式を貰えるはずだったとすれば、7000万円ずつ現金を渡すことで円満に解決を図るということです。



円満に分割するために
結構な大金を用意しなくちゃいけないかもしれないね。
おっしゃる通り、現金を用意しておく必要はあるので、社長が生命保険をかけておくか、現金を長男が用意しておくか、準備は必要です。
また少し難しい話になってしまいますが、代償分割は相続税評価額と代償金との間に価格差が生じてしまう場合もあります。(※1)
現金の準備にはきちんと事前に計算をしておきましょう!



少数株主が現在いる方や、これから株式の分割を
検討している方は気軽に相談してみてくださいね!
まとめ
今回は少数株主のお話をしました。なんとなくで分けてしまうと後からとんでもないことになってしまうかもしれません。初めから考えて、株式を分けるようにしましょう!
また今回は社長が死亡してから、株式を相続した形を説明しましたが、生前に贈与することも可能です。
遺留分や特別受益など複雑なことも考慮する必要があるため、どちらにせよ注意が必要です。
きちんと考えた上で株式を分けるようにしましょう!
※1) 代償分割においては相続税評価額が実勢価格と比べて低く設定されていることと、相続時と遺産分割時で実勢価格が変化している可能性があり、価格差が出てしまうことがあるため


